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初診が10年以上前でも受給できることがあります。

障害年金を受給するためには、次の三つの条件を満たす必要があります。

・初診日・保険料納付要件・障害の状態

1 障害の原因となった「初診日」が特定できること。(初診日要件

初診日とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師又は歯科医師の診断を受けた日のことです。障害認定基準では以下のように定められています。

「初診日」とは、障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を 受けた日をいう。

例外はありますが、年月日まで、カルテ等で特定する必要があります。具体的には概ね以下のような場合が相当します。

・精神の障害:初めて精神科の医師の診察を受けた日。(精神科以外の医師でも初診日として認められる場合もあります)

・肢体の障害:ケガをしたり、脳卒中等で、救急搬送されて初めて医師の診察を受けた日

・先天的な障害であっても原則として、そのために医師の診断を受けた日が初診日となります。

しかし、カルテの保存期間は法律で5年と決まっていますので、カルテが無いと初診日が特定できないことがよくあります。そんな時は 初診日が特定できない場合の対応 を参照してください。

又、医学的な初診日では無く、障害年金独自の以下のような考え方があります。

相当因果関係

社会的治癒

2 保険料納付要件を満たすこと

 初診日の前日において、以下の要件を見たる必要があります。但し二十歳前障害の場合は納付要件はありません。そして、初診日において加入していた公的年金の制度によって、受給できる障害年金の種類(障害基礎、障害厚生、障害共済)が決まります。

3分の2要件 :初診日の前々月までに、国民年金、厚生年金等の全被保険者期間のうち、で3分の2以上の期間納付済み期間があること(免除、猶予、等は納付済期間になります)

直近1年要件 :初診日の前々月までの直近1年間に未納が無いこと。

3 障害認定日において、障害の状態が、別途定める障害認定基準に定める1級~3級の状態であること。認定日請求 

  障害認定日の時は症状が軽度であったが、その後悪化して1級~3級の状態になった場合事後重症請求も請求することができる。

  障害認定日とは、初診日から1年6月経過した日、若しくは二十歳に達した日のことです但し例外として障害認定日の特例が定められています。

1級~3級のおおよその基準は

1級 ほぼ寝たきり状態 (眼の障害、肢体の障害、聴覚障害等は除く)

2級 日常生活が自力では難しい状態

3級 就労に大きな制限がある場合 

障害手当金:3級に該当しないが相当程度障害がある場合の一時金。(障害厚生年金の2年分)

初診日が特定できない場合の対応

障害年金を受給するためには初診日を特定することが絶対的な条件です

初診日が明らかにできない場合がよくあります。これはカルテの保存期間が5年と定められていることが最も大きな原因です。しかし、障害年金を受給するためには、初診日を明らかにすることが絶対的条件です。ただ、カルテが無くても、以下のようないろいろな方法があります。ご自身でトライしてみて難しそうであれば専門家に相談することをお勧めします。 

1. 第三者証明による

第三者証明とは、3親等以内の親族を除くだれか(第三者)に、障害の原因となった傷病について、病院等の医療機関に通院していたことを証明してもらうことです。基本的には第三者の証明と、初診日についての他の資料(診察券等)との整合性を確認の上、総合的に判断されます。 但し、二十歳前障害については第三者証明のみでも認められる場合があります。

 

2. 初診日が一定期間内にあることが、具体的な資料から確実の場合は、初診日が確定できなくても、請求者が申し立てた日を初診日として認められる場合がある。 

3. その他の初診日の取り扱いについて

1) {C}請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録など)に請求者が申し立てた初診日が記載されている場合。(5年以内であっても認められる場合がある)

2) 診察券、入院記録等のみでも初診日が認められる場合がある。

3) 人間ドッグ等の健康診断の記録のみでも、初診日が認められる場合がある。

4) 年月は特定できても、日付けが特定できない場合でも認められる場合がある。

5) 上記以外でも、初診日に関する資料について、他の資料との整合性や、医学的な判断に基づいて、請求者の申し立てた初診日が認められる場合がある。 

 糖尿病性腎症で人工透析をする方がかなり多くおられます。この場合初めて糖尿病と診断された日が初診日となります。それが場合によっては10年、20年前であることが多々あります。このような場合初診日を特定することが非常に難しい場合があります。

こんな時は迷わず、専門家に相談されることをお勧めします。 

相当因果関係

高血圧は脳卒中等とは医学的には因果関係はあっても、障害年金では因果関係は無いとされています。

障害年金を申請するにあたって、先に述べたように、初診日がいつなのかは非常に重要です。障害の原因になった傷病が明らかな場合は問題ありませんが、中にははっきりしない場合があります。従って初診日を判定する場合は「前の疾病や負傷が無かったら後の傷病は起こらなかったであろう」と判断される場合は「相当因果関係あり」とみて前後の傷病を同一傷病として取り扱うこととしています。その対象は以下の通りです。

<相当因果関係あり>

1 糖尿病と糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽

2 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎又は慢性腎炎に羅患し、その後慢性腎不全を生じた場合は、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱われる。

3 肝炎と肝硬変

4 結核の化学療法による副作用として聴力障害を生じた場合

5 手術等の輸血により、肝炎を併発した場合

6 ステロイド投薬による副作用で、大腿骨頭無腐性壊死が生じた場合

7 事故又は脳血管疾患によって精神疾患がある場合

8 肺疾患に羅患し手術を受けその後呼吸不全を生じたものはその期間が長いものであっても相当因果関係ありとして取り扱われる。

9 転移性のガンは原発とされるものと組織上一致し、転移であることを確認できた場合は相当因果関係ありとして取り扱われる 

<相当因果関係なし>

1 高血圧と脳出血、脳梗塞

2 糖尿病と脳出血、脳梗塞

   3 近視と黄班部変性、網膜剥離、視神経萎縮

社会的治癒

厚生年金に加入履歴が無いと、社会的治癒とはなかなか認められない。

社会的治癒という概念は医学上は存在しません。

治癒の判断は医学的には検査結果や病理学的な知見で判断されます。 

しかし障害年金の初診日を判定するときには社会的治癒という概念があります。 

社会的治癒とは、

治療を行う必要がなく(注)症状が安定し、自覚症状や多覚症状も現れず就労等社会復帰している状態が認められるときは医学的な治癒と認めることができなくても、社会保険上は治癒したと見なします。 

再発でも前の病気とは別傷病として取り扱うことになり、初診日は再発した日に変更されます。

社会的治癒が認められるには概ね5年以上継続した期間とされますが、傷病により5年以上であったり、5年より短い期間でも認められるケースもあります。 

(注)「治療を行う必要がなく」と言う文言から服薬も全くしない状態でなければ社会的治癒が絶対に認められないと考えてしまいます。

しかし傷病によっては持続的服薬があっても、それが予防的服薬の範疇にあると認められ、寛解状態が相当期間続き、社会保険の被保険者として健常者と変わりない職業生活を送っていると判断できる場合は、社会的治癒を認めています。

 ここでは、社会保険の被保険者として就労していいることが非常に重要です。該当する期間において、治療も服薬もしていないが、厚生年金の加入歴が無いと、「就労等社会復帰している」とはなかなか認められません。従って、アルバイト等であっても正社員と同等の仕事をしていた。就労以外で社会的な活動している。子育て等で多忙であった。等々、「就労等で社会復帰している状況」を具体的に証明する必要があります。

ただ、個々のケースについての明確な判断基準はなく、上記のような基準に従って個別に判断されます。

障害認定日の特例

認定日の特例で、1年近く早く受給できることもあります。

 

 

障害認定日は、原則として初診日から16ヶ月を経過した日ですが、16ヶ月以内に症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った場合は、その日が障害認定日となることがあります。 下表に該当しない場合は、いくら医学的に症状固定と判断されても特例には該当しません。

 具体的な事例は下表の通りです。

診断書

症状が固定した状態

障害認定日

障害等級の目安(あくまでも目安です)

失明

失明した日

 

眼球部摘出(患部疾患、打撲による)

患部摘出、又は廃用した日      *障害手当金は創面治癒日

 

言語機能等

咽頭全摘出

咽頭全摘出手術が行われた日

言語機能を喪失したものは2級

咽頭部摘出

患部摘出、又は廃用した日         *障害手当金は創面治癒日

 

 

切断又は離断

切断又は離断               *障害手当金は創面治癒日

1肢の切断は2級  2肢の切断は1級 リスラン関節以上で欠くと3

肢体

5指及び5趾が運動機能の用を廃いした。

廃用した日(全く運動機能が無くなった日)

 

 

人工関節・人口骨頭を挿入置換

人工関節又は人工骨頭が挿入置換された日

上肢又は下肢の3大関節に人工関節又は人工骨頭を挿入置換したものは原則3

 

脳血管疾患による肢体の障害

初診日から6ヶ月を経過した後、医師が固定したと認めた日(リハビリをしている場合は症状固定と認められない場合がある)

 

呼吸器

在宅酸素療法行っているとき

24時間在宅酸素療法を開始した日

3

 

気管切開下での人工呼吸器(レスピレータ)使用

使用開始から6ヶ月経過後

 

 循環器

人工弁、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)の装着手術を受けた時

装着手術を受けた日

原則3級  2級になる場合もある

循環器

心臓移植、人工心臓、補助人工心臓を移植又は装着した時

移植又は装着した日

1級  術後の経過で見直しがある

 

CRT(心臓再同期医療機器)及びCRT-D(除細動機能付き心臓再同期医療機器)を装着した時

装着した日

重症心不全の場合は2級  術後の経過で見直しがある

 

胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステンドクラフトを含む)の挿入置換

挿入置換した日

3級(一般状態区分が「イ」か「ウ」の場合

腎臓

人工透析療法を行っている場合

人工透析療法を受け始めてから3ヶ月を経過した日(初診日から1年6ヶ月を超える場合を除く)

2

 

ストマ(人工肛門)造設、尿路変更術、新膀胱造設

造設、又は手術を受けた日から起算して6ヶ月を経過した日

いずれか1つで3

その他

胃ろう等の恒久的措置実施

原則実施後6ヶ月経過後

 

 

遷延性植物状態

障害状態に至った日から3月を経過した日以降に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき

 

 

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