〒358-0002 埼玉県入間市東町1-1-35(入間市駅から徒歩20分)
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1 慢性の肺疾患で在宅酸素療法、障害等級3級受給決定しました
5 咽頭がんで障害厚生年金の受給決定(他の社労士で不支給決定を審査請求で受給が決定しました)
6 糖尿病で障害厚生年金3級(生活保護なのにご本人があえて障害年金申請を希望)
7 糖尿病性腎症で障害厚生年金2級受給(20年前の初診日を確定させて受給決定)
8 心臓弁膜症で人工弁装着し障害厚生年金3級 (数年前の障害認定日は心臓病のみで3級遡及適用)
9 心筋症で障害厚生年金3級遡及適用(心臓病は他覚所見が重要です)
10 大腸がんが骨盤に転移し障害厚生年金3級(ガンは障害の状態を総合的に判定されます)
11 膠原病(多発性筋炎)で障害厚生年金3級 (再審査請求で2級(遡及適用))
50歳代 男性 狭山市
相談内容
福祉関係の相談員の方からの紹介でお話を聞くことになりました。
10年位前の健康診断で肺の異常を指摘されたが、自覚症状が全くなく医者には行かなかった。その後健康診断はしていない。3年くらい前から仕事中に息苦しいこともあったが医者には行かなかったが、徐々に症状がひどくなって2年くらい前に近隣の内科を受診したが、原因不明だった。症状がどんどんひどくなるので、専門病院を紹介してもらった。検査入院の結果「慢性閉鎖性肺疾患」と診断され、在宅酸素療法を開始した。
経過
相談員と一緒に話を聞いて、障害年金の手続きを開始しました。現在症状については在宅酸素療法をしておられますので3級相当でしたが、認定日当時は在宅酸素をしていなかったが検査数値(動脈血酸素分圧等)も障害等級に該当しているはずなので診断書を記載していただきました。しかし、障害等級に該当する値であった検査をした日が、障害認定日後の3ケ月期間中になく、2週間ほど後でした、があえて請求しました。この間主治医と事務担当者のやり取りに1か月ほどかかりました。些細なことで病院のやり取りに時間がかかる場合が良くあります。
結果
請求後、障害認定日の診断書の件で年金センターから照会がありましたが、検査日を変えることはできずそのまま返しました。
請求から4か月程度経過して現在症状のみ3級に認定されました。
ご本人はこれまでの仕事ができなくなって退職され、請求日当時雇用保険受給中でした。その後障害者手帳を取得し障害者雇用で仕事を捜しておられますが、なかなか決まらないようです。
40代 男性 青梅市
相談内容
2年ほど前に相談がありました。
10年ほど前から腹痛や下痢が多く気になっていたが、そのうちに痔になったので肛門科で受診するとクローン病と診断された。痔の手術はしたが症状が悪化する一方で、1日10回以上トイレに行かざるを得ず普通の食事はできなくなり、体重が大幅に減少し栄養剤(経腸成分栄養剤)を使わざるを得なくなった。仕事もできなくなって寝たきりのような状態になってしまった。そんな時腸閉塞(イレウス)を発症し、肛門科では対応できず、大学病院に転院した。イレウスチューブで対応したが、普通の食事が全くできなくなって、栄養剤と点滴のみで全く寝たきりの状態になってしまった。そのうち腹膜炎を併発しストマを造設した。しかしその後も症状は悪化する一方で、大腸の全摘をすることになったが、コロナで手術ができず、1年以上苦しい思いをしてやっと大腸の全摘術を行いストマの付け替えをしたが、小腸が詰まりやすい状態で、術後も普通の食事はできず、全く働けない状態が続いている。
最近障害年金のことを知ったので、専門家に依頼しようと思った。
経過
認定日請求をしたが、障害認定日当時はそれほど状態が悪化しておらず。その直後から体重が減り始め半年くらいで10㎏以上減ったので、チョット厳しい状況だった。
現在症状は一般状態区分(エ)(・・・日中の50%以上は就床して・・・)で全く就労できない状態が継続していたので、2級には十分該当する内容でした。
しかし、認定日は総合的に判断すれば2級に該当しない。事後重症はストマを造設しているので3級に該当するが、総合的に判断すれば2級に該当しない。としてともに不支給決定だった。
これを不服として審査請求をしたが、ほぼ同様の理由で棄却された。
どうしても納得できず再審査請求を行った。
これと同時に、現在症状のみの再請求をおこなった。これは不支給の理由の中に、大腸全摘術後3ヶ月しか経過していないので、術後の後遺症のような状況も考えられ、時間の経過とともに検査数値も改善するだろうといった記載があったからです。
2回目の請求の結果も同じような理由で不支給であった。ここで主治医にクローン病について話を聞いた。
クローン病で大腸全摘術まで行うのは非常に例外的であることなど確認し、審査請求を行った。
しかしこれも前回同様の理由で棄却された。
丁度2回目の請求の審査請求が棄却されたころ、1回目の再審査請求の公開審理があり、ここで障害認定日当時から全く就労できず、イレウス、腹膜炎、大腸全摘術、ストマ造設と惨憺たる状況で、認定日、現在症状ともに2級に該当することを主張した。
結果
公開審理から約2ヶ月後厚労省から裁決書が届いて、認定日は不支給だったが現在症状は障害基礎年金2級が認められた。
最初に私に相談があっておおよそ2年経過していました。一部でも主張が認められてホッとしました。
1回目の請求をしてから既に1年半以上経過し、この間ご本人は母親と同居し全くの無収入でしたので、
事務手数料ゼロで対応してきました。多少報われたような気がします。
ただクローン病やガンなどの、明確な検査数値等による認定基準が無い障害は2級に認定されるのは非常に厳しい状況であることには変わりありません。
40代 男性 埼玉県毛呂山町
相談内容
15年くらい前に朝起きると気持ちが悪い、頭がズキンズキンと痛む、立っていられない、横になると症状が和らぐような状態が続いた。今思えばその何年か前に交通事故で大けがをしたが、そのことが原因だったかもしれないが、当時は全くそんなことは考えつかなかった。
いろいろ調べてこれは普通の病気では無いと思って、大学病院に行くと髄液の漏出が認められると言われた。その後治療の結果、症状が多少改善したので主治医からこれ以上の回復は見込めず、治療方法も無いと言われたので、通院を止めたが、症状は継続し、継続して仕事もできなかった。最近になって症状が悪化してきたので、再度大学病院で治療を受けるようになって、脳脊髄液漏出症と診断された。障害年金の申請をしようと医師に話をしたが、要領を得ないということで、私に相談されました。
経過
本人から、主治医に会って話をして欲しいという依頼があったので、病院の相談員を交えて障害年金請求の趣旨、等脊髄液減少症の場合の診断書に記載しなければならない項目等を説明したので、主治医も納得されて、診断書を書いて頂くことになった。
ご本人から、後日、相手が社労士さんだと主治医の先生もしっかりと話を聞いてくれるので安心した。と言っておられました。
結果
初診時の半年くらい後から10年以上受診されていなかったので、初診について年金事務所から何回も問い合わせがありました。年金センターの障害認定医も初診日についてのこの制度特有の考え方を理解しておられないようで、障害状態の判定をなかなかしてもらえず、非常に時間がかかりました。
結局認定日請求は却下となりましたが、現症は障害基礎年金2級が認められました。
初診から半年間は通院しておられましたが、ご本人は治療方法が無いと言われて、通院せず10年以上経過してしまいました。
障害年金の制度を知らず、これまで、長い間体調不良が続いて、普通に働くことができなかった。障害認定日当時、受診していなかったというだけで却下では納得できない。として
審査請求を希望されました。
狭山市 57歳 女性
相談内容
7~8年前から首や腰のあたりに痛みを感じるようになって、近隣の整形外科に行って、レントゲン等で検査をしたが、はっきりとした原因は不明で、鎮痛剤を処方してもらうのみだった。その後、体のいたるところに痛みを感じるようになって、何個所かの病院やクリニックに行ってみたがどこも原因不明で、症状が徐々にひどくなった。あるペインクリニックでは筋肉注射をされて症状がさらにひどくなったような気がした。4年ほど前、ある病院で線維筋痛症の疑いを指摘され、大学病院を紹介された。
この大学病院ではっきりと線維筋痛症と診断された、薬による治療を継続しているが、症状が改善している実感はない。自力で動くことは出来るが、少し歩くと体中が痛いのでほとんど家で寝ている。家事買い物等はほとんど息子に依存している状態だ。
経過
線維筋痛症は初診日の確定が難しい場合が多いが、今回の場合は原因不明の疼痛で受診した日がはっきりしていて、カルテも残っていたので、初診日は確定診断がされた時ではなく、疼痛で最初に受診した日がスンナリと認められました。障害認定日当時は軽度であったので、請求は諦めて、事後重症のみの請求としました。
現在症状の診断書の記載をお願いしましたが、約2ヶ月かかりました。診断書では、筋力、関節可動域が全て正常でしたので、等級判定がどうなるか不明でしたが、仕方がありません。ただ、線維筋痛症は疼痛が主たる症状ですので、我慢すればある程度の筋力があり、関節可動域も正常な場合が多いので絶対的な意味を持つわけではないはずです。「日常生活の動作における動作の障害の程度」は十分障害等級2級に該当しているので、可能性は十分あるはずです。
結果
心配した通り、不支給の決定でした。不支給の理由は、「総合的に判断した結果」とされ詳しい理由は記載されていませんでしたので、「日常生活の動作における動作の障害の程度」は十分障害等級2級に該当することを主たる理由として審査請求をしました。
審査請求の結果
審査請求は棄却されました。心配した通り、関節可動域、筋力が正常であること主たる理由でした。
関節可動域、筋力が正常であっても、診断書の記載内容から総合的に判断すれば障害等級2級に該当するとして 再審査請求をしました。
再審査請求の結果
公開審理の日の少し前に「原処分(審査請求における棄却の処分)を取り消す」旨連絡がありました。
やはり、関節可動域、筋力が全て正常であると、審査が厳しいことが痛感させられましたが、疼痛が主たる症状である場合は、このような場合も十分考えられるので、妥当な判断と思われます。
40代 男性 所沢市
相談内容
3年ほど前、咽頭がんと診断され、手術はできず、化学療法(抗がん剤治療)で治療中だが、週1回の抗がん剤投与が厳しく投与後2~3日は全く動くことができず、働ける状況ではない。両親と同居しなんとか日常生活ができている状態だ。半年ほど前、他の社労士にお願いして障害年金を申請したが、不支給となった。その社労士からはその後連絡がない。何とかならないか? との相談でした。
経過
診断書を見ると、がんの進行度を示すTNM分類でほとんどはステージⅣでがんの大きさが6cm以上ありかなり重い症状であることが分かる。化学療法中で自覚症状として著しい倦怠感があると記載があるが、その他の記載が全く無く、障害の程度が非常に分かりにくい。その後主治医に対して、機構から他覚所見や症状について照会があったにもかかわらず、ほとんど白紙の状態で返送している。
又そしゃく、嚥下機能や言語機能にはほとんど問題が無いにもかかわらず、診断書が記載されていた。
これでは、審査する側も障害の状態を把握できないと思って、主治医に面談を申し入れて、がんの進行状況について具体的に記載して頂き、抗がん剤の種類、具体的な副反応、投与の頻度等を、さらに症状についても、著しい倦怠感ばかりでなく、吐気、食欲不振等実際の症状を具体的に記載していただいた。これらを補足所見として、審査請求書に添付して提出しました。
結果
3ヶ月ほどして厚生局の社会保険審査官から、審査請求を取り下げるよう連絡がありました。その後、年金証書が送付されて、障害等級3級が決定しました。
がん、潰瘍性大腸炎、などの内臓疾患の主治医は、障害年金の診断書の記載に慣れている先生が少なくて、診断書に何をどの程度書いたら良いのか分からない先生も多い。審査する側が、判断できるレベルの診断書を書いていただかないと、障害状態を正確に読み取れないまま、審査されてしまうことになります。
男性 50代 埼玉県
相談内容
25年近く前から糖尿病で苦しんできた。10年くらい前から毎日インスリンの投与が必要となり全く働くことができなくなって生活保護を受けている。このことに対して市(自治体)に申し訳ない。という気持ちが強く、障害年金が受給できないか考えるようになった。障害年金が受給できたとしても、その分は生活保護から差し引かれるので金銭的なメリットは全く無い。
それでも障害年金を受給したいというのは市民の税金で生活しているのは申し訳ないというご本人の気持ちだと思います。ただ初診が25年以上前なので自分ではできそうにないので、社労士にお願いしようとしたら、生活保護を受けていると、費用が出ないという理由で断られてしまったとのことでした。
そこで私に依頼がありましたが、ご本人の住所地は入間市からかなり遠く、その自治体のことは全く知りませんでした。生活保護の担当者に、「障害年金の手続きの費用を経費として認めて欲しい」 とお願いすると、しばらくしてOKの返事がありました。
経過
糖尿病の場合、その合併症である糖尿病性腎症による透析、壊疽、糖尿病性網膜症で申請する場合がほとんどで、糖尿病そのもので申請することは、非常にまれである。従って認定基準を主治医に示し、現在の症状が3級の認定基準を満たすことを確認しました。
更に初診が25年近く前で、既にその時の病院は廃院となっていましたが、当時の診断書等で糖尿病であると記載した書類を本人が所持していたので、これを初診としました。しかしその時以前には糖尿病では無かったこともある程度は客観的に示す必要があるので、昔の会社の同僚に当時は糖尿病の症状は無く元気だったことを証明してもらいました。
結果
障害厚生年金3級の受給が決定しました。ご本人は生活保護なので金銭的なメリットは全く無いにも係わらず非常に喜んでおられました。糖尿病により自力で働いで生活できず、市民の税金で生活せざるを得ないことがいつも気になっておられるようでした。
その後、市の担当者に受給が決定した旨報告し、小職への報酬を経費認定していただきました。
今回のように、手続きの費用を経費として認める自治体はまだまだ少ないようですが、自治体としても障害年金を受給すると市の負担が減るので、手続き費用を経費として認め積極的に障害年金の受給を勧めている自治体もあります。
糖尿病性腎症で障害厚生年金2級受給
(20年前の初診日を確定させて請求)
1 相談内容
20年程前に会社で働いている時、疲労感が強くなって、部署替えをお願いした。その頃何かの健康診断で、血糖値が異常に高かった。すぐに近隣の内科(Aクリニック)に行くと、糖尿病と診断されたが、服薬を開始すると、すぐに血糖値が下がり始め、体調も良くなってきたので、通院を止めた。10年程前に再発したが、食事療法も行いそのうち体調も良くなって1その後10年程通院していなかった。
それが2年ほど前、足の付け根に異物ができて、近隣の診療所に行くと糖尿病が進行している。糖尿病性壊疽と診断され、踵を残して切断した。また、糖尿病性腎症を併発していて、すぐにでも透析を始める必要があるほどだった。さらに糖尿病性網膜症も併発していて、視力が悪化し一人では外出できず、手術を受けた直後であった。
2 経過
20年ほど前に最初に糖尿病と診断された近隣のAクリニックには、資料が何もありませんでした。次に10年ほど前に治療を受けた病院行くと、Aクリニックの紹介状が残っていて、正確な初診日は記載してなかったが、「〇〇年○○月から通院していた」と記載があった。
その後、肢体、糖尿病性腎症(末期腎不全)、眼 の診断書の記載を各病院に依頼した。
特に肢体の診断書については、リハビリの病院では記載できないと言われ、手術をした病院で、診察を受けて記載してい頂いた。眼の診断書については、術後の経過観察中なので記載できないと言われた。結局裁定請求まで4カ月かかりました。
3 結果
請求後、足の切断後のレントゲン写真を送付するよう要請があった。踵を残した切断は、3級に該当し、糖尿病性腎症(2級)と併合判定しても1級にはなりません。
請求から5か月後障害厚生年金2級の受給が決定しました。
既に人工透析を開始されていますが、車椅子での移動になるが、眼がよく見えないので一人では外出できず、ほとんど1日寝て過ごすことになってしまっています。
数か月後、眼の診断書を記載していただき、額改定請求をして1級になりました。
心臓弁膜症で人工弁装着で3級受給
(認定日は心臓病のみで3級-審査請求で決定)
1 相談内容
数年前、先天性の二尖弁(注1)で大動脈弁狭窄症と診断されたが、何とか働くことができていた。 しかし最近になってめまい、息切れ等がひどくなって、大動脈弁置換と上行置換術(人工血管に置換)を行った。
退院後自分で障害年金の申請をするつもりで、年金事務所に何度か相談に行ったが、若い頃(二十歳前)から不整脈があり、15年ほど前(30代)に手術をして完治した。 しかし、この病気が今回の大動脈弁狭窄症と関連が無いのか?初診日について先天性の病気の可能性もあり、二十歳前なのか、数年前なのか年金事務所にうまく説明ができなかったので、私に相談があったものです。
注1) 二尖弁
大動脈弁は通常は3枚の弁が開閉しているが、先天的に、まれにこの弁が2枚しかない場合があるそうです。この場合通常に作動していれば、問題は無く、一生知らずにいる場合もあるそうです。 しかし中年以降になって、弁の開閉がうまくいかなくなって、大動脈弁狭窄症になる場合も多いようです。 二尖弁自体は病気では無いそうです。
2 経過
やはり年金事務所で、不整脈ついていろいろ聞かれました。従って、不整脈の発症から治療、その後の経過について、別紙でまとめて記載し、あくまでも大動脈弁狭窄症はそれと違う病気として申請しました。叉この病気は先天性ではないことを、何度も年金事務所に説明しました。結局は出しませんでしたが、申立書を出生時から5年ごとに書きました。
障害認定日の頃も、人工弁を装着していませんでしたが、動悸、息切れがひどく、普通に就労できない状況であり、3級の認定基準を満たしていました。ここで不服も申し立て(審査請求)をしました。
3 結果
約3か月後、障害厚生年金3級認める内容でした。人工弁を装着する前に、既に心臓病で苦しんでいる場合もかなりあります。障害認定日当時の診断書が、少なくとも3級に該当
心筋症で障害厚生年金3級を遡及適用
(心臓病は検査数値と他覚所見が重要)
1 相談内容
7~8年前、これまでとは違うような疲れを感じるようになった。そんな時、会社の健康診断で心臓の異常を指摘されたので、近隣の総合病院へ行くと心筋症と診断された。その後、服薬により症状は改善したが、次第にコントロールできなくなり、心臓専門病院を紹介されてカテーテルによる心筋焼灼術を施行し症状は改善された。
しかしその2~3月後再び症状が悪化し手術をした。術後半年間休職し、職場復帰をした。その後2~3年は比較的安定していたが、1年程前から動悸、息切れなど心不全の症状が顕著になり、傷病手当金を受給し休職中であった。
こんな時に、自分では手続きができないとして小職に年金請求の依頼がありました。
経過
彼女の場合は、初診以前は継続して厚生年金に加入していたので保険料納付要件については何の問題もありませんでした。
心臓の障害の場合は、弁の置換術、ペースメーカーの使用等が無い場合は、検査数値、心電図、心エコーによる他覚所見、自覚症状によってほぼ障害等級が決まります。従って、ご本人で持っている、検査結果、心電図、心エコーの所見等を確認し、少なくとも現在の症状は障害等級3級に該当することを確認しました。障害認定日当時の状況については、総合病院の窓口で、一定の基準に該当する場合は診断書を作成するよう依頼しました。明らかに認定基準に満たない診断書の作成はなるべくしたくありません。(その総合病院は1通1万円以上です)
その総合病院は片道2時間以上かかるところで、書類不備等を含めて4~5回行くことになってしまいました。
結果
3~4月後、3級の遡及適用で受給が決定しました。現症は2級でも不思議ではないと思いました。心電図、心エコーの画像は、どこに異常があるか簡単には判断できず検査者のコメントのみが頼りです。今回多くの心電図、心エコー画像を添付しましたが、2級となる確たるデータが見つからず、審査請求は断念しました。しかしさらにその3~4月後、現症の障害等級を3級→2級に改定する連絡がありました。このあたりが心臓で請求する場合のポイントかもしれません。
大腸がんが骨盤に転移ー障害厚生年金3級
(ガンは障害の状態を総合的に判断されます)
1 相談の内容
数年前大腸がんと診断され、手術の後、何とか仕事を継続していたが、1年ほど前、骨盤に転移し、激しい痛みのため、化学療法を開始した。会社は辞めてはいないが、障害年金の可能性はあるか?とのことでした。 可能性はあり費用等を説明したが、その後忙しいとのことで連絡がしばらくの間無かった。
半年ほど経過した後、奥様から就労できなくなりそうなので話を進めてほしいとの連絡がありました。
2 経過
年金事務所で年金の加入状況を確認すると、若いころ転職歴があり、一部に未確認の加入記録があったので、ご本人に就労履歴等を確認しながら、年金記録の修正手続きをしました。
注意事項を記載したメモを手渡して、ご本人に診断書を主治医に記載していただくよう依頼しました。1ヶ月近くかかって診断書ができたので、その内容をチェックすると、がんが骨盤に転移していること、ステージⅣであること等の重要項目が記載されておらず、修正を依頼することになりました。なかなか修正していただけず、結局それからさらに1ヶ月以上経過してやっと、現在の症状をはっきり記載していただきました。大きな病院であったので、手続きに時間がかかったこと。主治医の先生が障害年金の診断書に詳しくなかったこと等が申請まで2ヶ月以上かかってしまった原因と思われます。
3 結果
3ヶ月ほどして障害厚生年金3級(事後重症)の受給が決定しました。当初の診断書で提出していたら、不支給決定はほぼ確実でした。
その1年後くらいに、症状が重くなって就労できなくなったと連絡があったので額改定の手続きをしようとしていると、奥様から亡くなったと連絡があり、ショックでした。障害等級3級でお亡くなりになっても、このような場合は2級で亡くなったとみなされて遺族厚生年金の受給権が発生します。
膠原病(多発性筋炎)で障害厚生年金3級
(再審査請求で2級 遡及適用)
1 相談の内容
膠原病(注)の一種である多発性筋炎で会社を退職せざるを得なくなった。日常生活にも支障があり、障害年金は受給できないかとの相談でした。
多発性筋炎は難病指定されており、筋肉の炎症により、筋肉に力が入りにくくなったり、疲れやすくなったり、痛んだりする病気です。皮膚に腫れぼったい紅斑ができる場合は
皮膚筋炎と呼ばれ、そうでない場合には多発性筋炎と呼ばれます。有効な治療方法は確立されておらず、相談を受けたときには、自力で歩くことはできず、屋外は杖をついて数十mやっと歩ける状態でした。普段は車椅子でした。手にも力が入らないのでかなり不自由でした。又動くと痛みがあり辛そうでした。
2 経過
初診日については、当初からの病院を変更されておらず、すぐに決まりました。30年近く同じ会社で就業されており、保険料納付要件も問題はありませんでした。
筋肉の炎症により、腕を上げる、立ち上がる、座る、歩くといった日常生活に必須の動作に支障があり、「肢体の機能の障害」として診断書を記載していただくことにしました。
日常生活の動作について、詳しく記載した資料を添付して、作成を依頼しました。しかし主治医が皮膚科の先生であったせいか、1ヶ月近くたって、未記入箇所が多い診断書ができてきました。 その後何回か病院に行き、診断書の修正、再作成を依頼しました。最終的には、リハビリの先生の意見で作成されたようです。
結局、診断書の作成に2ヶ月近くかかりました。
3 結果
3ヶ月くらい経過した後、障害厚生年金3級が遡及適用で決定しました。
屋外は杖が無ければほとんど歩くことができず、2級でも不思議ではない症状でした。障害認定基準と、診断書の記載内容を詳細にチェックすると、2級であるはずだ。2級でなければならない。と思い審査請求を行いました。しかし信じられない理由で棄却されましたので、再度、審査請求とほぼ同じ内容で再審査請求を行いました。公開審理の連絡がきた直後、社会保険審査会から再審査請求を取り下げるよう連絡があり、結果的には審査請求が認められた形となりました。
これにより、2級で、5年の遡及適用となりました。
注)膠原病とは
膠原病には、多発性筋炎・皮膚筋炎以外に、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、結節性多発動脈炎などの血管炎やリウマチ熱が含まれます。コラーゲンと膠原は同じです。近年これらの病気は、コラーゲンの異常だろうと判断されて膠原病と総称されるようになりました。この病気の筋肉、関節、皮膚等に対するいろいろな症状は自分の臓器に免疫反応が起きていることが原因とわかっていますが、有効な治療方法は確立されていません。
63歳 男性 狭山市
相談内容
10年ほど前、体調が悪い日が続いたので、近隣の病院で診てもらうと、血糖値が非常に高く、2型糖尿病と診断された。以後月1回程度通院しながらインスリン治療をし。仕事を続けた。数年前は糖尿病性網膜症の手術をした。自営業なので、休みながらもなんとか仕事を続けてきた。しかし最近になって糖尿病性腎症が悪化し、人工透析をせざるを得なくなったので、障害年金の手続きをしてほしいとの依頼でした。
経過
社員一人の自営業でしたが、会社組織でしたので、本来は社会保険(厚生年金、健康保険)に加入すべきですが、負担が多いので税理士と相談して未加入とのことでした。(私は少なくとも社長は厚生年金に加入すべきだと思います。多少負担が多くても、自身の老後を考えれば、軽く元は取れるはずです。)
国民年金の未納はありませんでした。 個人事業として独立するまで、厚生年金の加入期間が10年間ほどありましたので、ご相談を受けたときは、月2万円程度の在職老齢年金を受給中でした。 63歳~65歳前の障害基礎年金は、障害者特例(4万円/月程度)とどちらかの選択です。
今回、障害認定日の頃は体調が悪いながらも、仕事をしておられましたので、3級なら可能性があっても2級は難しいと思い、診断書は事後重症のみで作成するようにお願いしました。ところが、市役所の年金担当者が障害認定日の診断書が必要との指示があり(症状が明らかに軽度な場合は診断書は不要です)、あまり強引に逆らうと良くないのでそれに従いました。何か1万円損をした気分になりました。
糖尿病の場合初診日がなかなか確定できないことが多いのですが、今回は初診日がはっきりしていたので運が良かったと言えるでしょう。
結果
3ヶ月ほどして2級の障害基礎年金の証書が届きました。
障害者特例と比べて年金額は2万円程度しかアップしませんでした。65歳からは老齢厚生年金と、障害基礎年金を受給することになります。しかし今回の場合は老齢基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせとほとんど変わりません。
0代 女性 所沢市
相談内容
お子さんからの相談でした。母親が糖尿病性網膜症で視力が非常に悪く、障害年金の対象にならないか? 又数年前から糖尿病で視力が悪いので遡及請求できないか? ただ現在就労できず、60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金を受給中で、この金額より受給額が多くなることが条件とのことでした。
経過
糖尿病の初診は数年前で、厚生年金加入中でした。障害認定日当時も視力が非常に悪かったとのことでしたので、遡及適用の可能性があった。
よって以下の選択肢がありました。
1)障害認定日当時3級以上に該当すれば障害年金を請求する。
2)障害認定日当時3級以上に該当せず、現在2級程度であれば障害年金を請求する
3)障害認定日当時3級以上に該当せず、現在3級程度であれば障害者特例を請求する。
障害者特例とは、60歳前半に報酬比例部分相当の特別支給の老齢厚生年金が受給できる場合、以下の要件を満たしたときは、さらに定額部分が受給できるものです。
・厚生年金保険の被保険者でないこと
・障害等級1級から3級に該当する程度の障害の状態にあること
・症状が固定している(初診日から1年6月以上経過している)こと
(納付要件は考慮しないので初診日を特定する必要は無い、)
・レアケースだが障害厚生年金2級より金額が多い場合もある。
初診時、障害認定日当時は隣県に在住中で、ここから車で高速を使っても2時間以上かかる病院でした。ここまで2往復しましたが、結局障害認定日当時は3級に該当せず(新基準では3級に該当している)この2往復が無駄になってしまいました。
更に、現在症状も2級には該当せず、結局障害者特例で請求せざるを得ませんでした。
診断書では、糖尿病性網膜症と白内障を併発していると記載され、白内障の手術をすれば視力はある程度までは回復すると記載されていて、これが審査にどのように影響するか不安が一杯でした。
結果
暫くして障害者特例が認められました。ホッとしました。この方は厚生年金加入期間が非常に長く、65歳からら受給できる老齢年金のほぼ満額に近い額でした。
令和4年1月1日から眼の障害認定基準が改定されたので、現状では2級に近い3級です。65歳なる前に障害年金が請求できる可能性があります。
所沢市 40代女性
相談内容
若い頃から長く潰瘍性大腸炎で苦しんできた。7~8年前潰瘍性大腸炎で障害年金を申請したが不支給だった。これとは別に10年くらい前から腎臓の検査数値の悪化を指摘されるようになった数年前から徐々に腎不全が悪化し、最近人工透析をせざるを得ない状況になった。障害年金の申請をして欲しいという依頼でした。保険料の納付状況は二十歳からほとんど未納は無かったが、一部の期間で3年以上後納していた期間があったので初診日を確定させる必要があった。
但し彼女は既にこれとは全く別の障害で障害基礎年金2級を受給中で、今回の人工透析が認められても、障害等級が2級→1級となり受給金額は年額20万円程度しか上がらないので、私への報酬は、増額分の2月分程度の約束をしました。
経過
彼女は二十歳前から潰瘍性大腸炎で苦しんではきたが、腎不全の症状の初診日はいつか?
当初は10年ほど前に行った漢方のクリニックで腎機能の低下を指摘されたとのことだったしかし、現在透析を受けている病院で診断書を記載していただくと、同じ病院で15年ほど前に腎機能の低下を指摘された入院記録があったので、その日を初診日として申請した。
申請時にその入院記録を添付したが、その中で、前医で既に腎機能の悪化を指摘されていたような記載があったので、年金事務所の担当者が、前医が初診日の可能性が高いので前医で初診の証明をしてもらうよう指示された。
前医である東京都内の某大学病院行くと、書類の受付だけで2時間近く待たされた。1月後書類の受け取りに行くと、受け取るだけで1時間近く待たされだ。片道2時間近くかかるので1日仕事になってしまいます。
この頃依頼者からは手続きはどうなっているのか、もう止めたいと言った電話が何回かあったが、何とか彼女に状況を説明して納得してもらった。
ここで言われたのが、潰瘍性大腸炎で治療はしているが、腎臓関係では治療していないし、腎機能の悪化を指摘はしていないとのことだった。確かに検査数値は悪いが、自覚症状は出ないレベルでした。
その旨年金事務所に伝えると、入院記録では前医で腎機能の低下を指摘されている。と書いてあるので、絶対に記録があるはずだ。無いなら、無い証明が必要だ。との指摘があった。
仕方が無いので、その某大学病院でのカルテの開示請求をすることになってしまった。さらに1月待って紙袋一杯のカルテを受領した。そこでカルテを入念にチェックすると、潰瘍性大腸炎の治療薬で検査数値が悪化し、その薬を止めると症状が改善した指摘があった。
従って、この大学病院では腎機能の悪化を指摘していないと判断し、当初の漢方のクリニックを初診として申請することにした。しかしこの漢方のクリニックにもカルテは残っておらず、他のいろいろな資料を付けてやっと申請が受理された。
申請して2月くらい経過すると、年金事務所から初診日は潰瘍性大腸炎の初診日が妥当であるから、不足する資料を整えるように指示がありました。何年か前に依頼人自ら潰瘍性大腸炎で申請し不支給になったことがあったので、その時の資料を参考にして、不足する資料を整えました。結局初診日は二十歳前となりました。
結果
暫くして障害基礎年金2級が決定しました。 ただ今回の報酬は増額分の2月分(約4万円)となり、これまで私の経験では、1回目の請求(裁定請求)では最も時間がかかり、訪問した病院はかなりの遠隔地を含めて10か所以上になって、大赤字でした。
受給が決まった時彼女から「ありがとうございました」の声が救いです
2024/7/30
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