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不服の申立て(審査請求、再審査請求)が認められて受給が決定した事例

一度不支給の決定がされると、それを覆すには大変な労力が必要です。 一般的には審査請求、再審査請求が認められるには、各々20~30%と言われています。私が係った事例では概ね50%程度が認められています。

基本的に、裁定請求で不支給になった場合は受給が決定するまで料金は請求していません。

1 再審査請求で頭痛が顎関節痛と診断された日が初診日として認められた事例

  (他社労士が申請し却下された事案を再請求し、再審査請求でみとめられました)

2 他の社労士が審査請求できなかった事案を、審査請求しそれが認められた事例

3    再審査請求で森田療法による日記の記載日が初診日として認められた事例

 (ご自身で請求さ却下去れた事案を、診査請求、再審査請求で認められました)

 

再審査請求で頭痛が顎関節症と診断された日が初診日として認められた事例
(他の社労士が申請し却下された事案を再請求し、再審査請求で障害等級1級が認められました)

再審査請求で裁決書で支給が認められるのは、非常にレアケースです。

所沢市 50歳代男性

相談内容

ご両親からの相談でした。10年程前、別の社労士の先生にお願いしたが却下だった。

却下とは、初診日が保険料の納付要件を満たさない場合等です。

もう初診の頃から20年以上経過しているが、本人は精神病で入退院を繰り返し、今まで全く働くことができない。自分達(ご両親)も年老いて、十分面倒を見ることができなくなってきている。このままでは自立して一人で生きていくことは難しい。少しでも可能性があれば再請求をしたい。とのことでした。 

経過 

前回請求した時の資料を取り寄せて調べると、保険料の納付要件を満たす日にカルテが残っているのは頭痛で受診し額関節痛と診断された整形外科のみであった。整形外科のカルテではそれが精神的なこと原因である可能性については全く触れていなかった。

しかし、残っているカルテはここしかなく、頭痛が精神的な病気の初期症状であることを主張する以外に方法はない。

整形外科受診前後の様子、精神科での治療経過、精神病の症状の特徴、額関節痛の症状等の諸条件を検討した結果、これが初診日として認められる可能性が少なからずあると判断し裁定請求をしました。

 〇 裁定請求  頭痛が整形外科で顎関節痛と診断されたことは、うつ病の初診日として認められないとして却下

〇 審査請求  頭痛はうつ病の初期症状としてよくあることであること、その3か月後に行った精神科でも、頭痛を訴えていた。こと等主張したが、棄却された。

〇 再審査請求 公開審理には、父親と一緒に前記のような意見を述べました。この時審査委員長が、我々の意見に肯定的なことを述べられました。このようなことは異例です。かすかな希望が見えてきました。 

結果    

公開審理から半年後(請求から2年後)、これまでの主張が認められ、却下を取り消し、障害等級1級とする裁決書が送付されてきました。このような裁決書を受け取ると感激しますね。 それからさらに半年後1回目の年金が支給されました。

ちなみに、この時の裁定請求、審査請求、公開審理について事務手数料 のみで対応しました。 サポートの費用 参照

 

他社労士が審査請求を断った事案を、審査請求し障害等級3級が認められた事例

全ての社労士が障害年金に精通しているわけではありません。

所沢市 男性 40代 傷病名 ガン

相談の内容 

ご本人の父親から半年ほど前、他の社労士にお願いして障害年金を申請したが、不支給となった。その社労士からはその後連絡がない。何とかならないか? との相談でした。

本人は3年ほど前ガンと診断され、手術はできず、放射線治療も効果がほとんどなく、化学療法(抗がん剤治療)で治療中だ。しかし週1回の抗がん剤投与が厳しく投与後23日は全く動くことができず、働ける状況ではない。両親と同居しなんとか日常生活ができている状態だ。

こんな状態で、不支給になるのは納得できない。とのことでした。 

経過 

診断書を見ると、がんの進行度を示す指標はほとんどステージⅣでかなり重い症状であることが分かる。化学療法中で自覚症状として著しい倦怠感があると記載があるが、その他の記載が全く無く、障害の程度が非常に分かりにくい。その後主治医に対して、年金センターから他覚所見や症状について照会があったにもかかわらず、ほとんど白紙の状態で返送している。

又そしゃく、嚥下機能や言語機能にはほとんど問題が無いにもかかわらず、診断書が記載されていた。

これでは、審査する側も障害の状態を把握できない。、主治医に面談を申し入れてがんの進行状況について具体的に記載して頂き、抗がん剤の種類、具体的な副反応、投与の頻度等を、さらに症状についても、著しい倦怠感ばかりでなく、吐気、食欲不振等実際の症状を具体的に記載していただいた。これらを補足所見として、審査請求書に添付して提出しました。 

結果

3ヶ月ほどして厚生局の社会保険審査官から、審査請求を取り下げるよう連絡がありました。

その後、年金証書が送付されて、障害等級3級が決定しました 

がん、潰瘍性大腸炎、などの内臓疾患の主治医は、障害年金の診断書の記載に慣れている先生が少なくて、診断書に何をどの程度書いたら良いのか分からない先生も多い。審査する側が、判断できるレベルの診断書を書いていただかないと、障害状態を正確に読み取れないまま、審査されてしまうことになります。 

障害認定基準で「その他の障害」分類されるがん、潰瘍性大腸炎などの難病は明確な障害等級の判断基準が無く、一般状態区分、自覚症状、他覚所見、予後等で総合的に判断されて障害等級が決まります。

よって、ここをしっかり記載していただくことが大切です

 

再審査請求で森田療法による日記の記載日が初診日として認められた事例

自然の治癒力を高める森田療法をもっと知ってほしい

入間市 女性45歳 うつ病 

相談内容

20年くらい前が初診だが、その当時のカルテ、受診記録等は既に無なかった。しかし当時初診の病院の主治医が、森田療法による日記療法を行い、その日記が、請求人の手元にあったので、その日記が最初に記載された日を初診日として申請した。

しかし、森田療法による日記の記載は初診として認められない。として却下され、私に相談があったものです。 

経過

日記療法は、患者が日常生活における行動、その時の思いを日記に記し、それを主治医が見て、この時はこうした方が良い、とか、別の考え方もある。といったことを、赤ペンでコメントの様にして書いて助言し、それを日常生活の改善や、病気の治療に役立てるものです。

申請当時、主治医は認知症となられて、日記に書かれた文字が、自分の書いたものかどうか分かりませんでした。そこで奥様に書かれた文字は夫(主治医)のものか判断してして頂くと、筆跡、記載内容から見て夫の書いた文字で間違いはない。とのことでした。

これらの事を審査請求書に記載しましたが、森田療法による日記は、診察券とか受診記録とは同等に扱えない。として棄却されました。 

日記は初診を証明する資料とはならない、と特に理由もなく棄却されたことはショックでした。

さらに森田療法について、書籍、学会誌を徹底的に調べ、日記療法は主に神経症の治療の一環としておこなうこと。 初診当時は全国でも数少ない認定医の一人であったこと等が分かりました。

資料が少なく、国立国会図書館に何度も行きました。

これらの事を記載し再審査請求をしました。

8か月後の公開審理で、社会保険審査会から、保険者に対して、日記がなぜ初診の証明にならないのか? 質問されそれに保険者が的確に答えられなかった。ことが今も脳裏に残っています。 

結果

再審査請求から約1年後、最初の請求から約2年後、却下が取り消され“容認”の裁決書が届き障害厚生年金3級が認められました。

裁決書によって、不支給(却下)が取り消されることは本当に感激します。社労士冥利に尽きると思いました。

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